今回のお悩みポイント
「現在ITエンジニア(プログラマーやSE)として働いていますが今の年収や労働環境などに不満があり転職を考えています。転職するなら今より年収をアップして、今より働きやすい労働環境を手に入れたいです。でもそのようなことを実現できる転職ルートや方法はあるのでしょうか?」
今回はこのような悩みに答えるために、IT業界で年収アップ転職をしてきた僕の経験から穴場の転職ルートをお伝えします。
結論
僕の経験からおすすめする穴場の転職ルートは以下になります。
この記事を書いている僕は、IT業界で2回の転職をして年収アップを実現してきました。
このブログでは、すべてのビジネスパーソンが賢く年収アップを実現して豊かに生きていくための情報を発信しています。
過去の僕と同じ悩みを抱える方へ向けて書いています。
記事執筆者(たかにぷ)
IT業界一筋20年
転職2回、年収アップに成功(現在は年収1,000万)
プログラマー、SE、PL、PM、営業と多数の職種を経験
本記事の内容
- 現在のIT業界では十分な年収と快適な労働環境を手に入れることが可能である
- 年収が高く労働環境が安定している場所に転職する
- 年収が高く労働環境が安定している穴場の転職ルート
- 穴場の転職ルートをつかむための方法
- 転職を成功させるためにやっておくこと
現在のIT業界では十分な年収と快適な労働環境を手に入れることが可能である
まず、最初にお伝えしたいのが、「現在のIT業界では十分な年収と快適な労働環境を手に入れることが可能である」ということです。
これには大きく2つの理由があります。
日本全体でIT人材の価値が高まっている
1つ目は日本全体でIT人材の価値が高まっているということです。
すでにご存じの通りかもしれませんが、現在の日本は慢性的なIT人材不足の状況です。
あわせて現在の日本が世界的に見て企業成長が鈍化しているのもご存じだと思います。
このような状況の中、ようやくではありますが、これからの企業成長にITは不可欠なものであり、むしろITやデジタル化に力を入れない企業は没していくというところが認知され始めたところになります。
この流れで、日本企業全体でIT人材募集が加速しています。
企業は優秀なIT人材を採用することに必死なので、優秀なITエンジニアには年収を目一杯上げてでも獲得しようと動いてきます。
つまり、現在、ITエンジニアは完全に売り手市場となっており、現役のITエンジニアであれば自分の経験やスキルを最大化することで、年収をアップしての転職をしやすい環境になっているということです。
企業が提示する年収のレンジも600万円程~1000万円を超えるレベルも普通になっており、生活していく上では十分と言える年収を確保できる状況があります。
働き方改革により労働環境が守られるようになった
2つ目は働き方改革により労働環境が守られる時代になったということです。
兼ねてより、IT業界は過酷な労働環境を強いられるイメージが強く、いわゆる社畜環境とかブラック企業が多いと言われる業界でした。
もちろん、今現在もそのような環境がなくなったわけではないと思いますが、働き方改革の流れで36協定などの労働環境に関する法的措置が強化されたことにより、IT業界全体の労働環境は確実に改善されてきています。
ここで特に僕が言いたいことは、中堅レベル以上の会社であれば、会社の規模もそれなりになるので、法律順守やコンプライアンス順守がしっかりしており、より労働環境が守られる状態になっているとうことです。
もっとわかりやすく言えば、休日出勤や無茶苦茶な残業を強いられることもないし、パワハラなどの取り締まりや福利厚生などもしっかりしていて働きやすい環境が整備されているということです。
これら、現在のITエンジニアが転職しやすい状況になっていることについては以下の記事でも解説しています。
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年収が高く労働環境が安定している場所に転職する
ということで、現在のITエンジニアの転職においては、年収アップと安定した労働環境を手に入れやすい状況となっているということです。
つまり、現在ITエンジニアをしていて、転職を考え始めている方へは、この年収アップと快適な労働環境を実現した転職を狙うにこしたことはないということです。
転職するからには誰しもが今より年収をアップして、かつ今より働きやすい労働環境を手に入れたいと思うはずです。
でも、勘違いしてほしくないし、当たり前の話ではあるのですが、ただ転職すればこれらを実現できるというわけではありません。
知識なしに、考えなしに転職活動をすると、現在より悪い環境に転職してしまうという転職の失敗をしてしまう可能性もあります。しっかりと情報収集をして、自分の転職の方向性を見極め、慎重に転職活動は行うべきです。
年収が高く労働環境が安定している穴場の転職ルート
それでは、ここからが、年収が高く、労働環境が安定している穴場の転職ルートの紹介になります。
こちらについては、あくまで僕の転職経験と僕自身が所属している会社の状況やこれまでに関わってきたさまざま企業の中の人からの情報をもとにした僕個人がおすすめするルートになります。
ITエンジニアとしての仕事内容というよりは、年収と労働環境を安定させるという視点でのルートになるので、その視点での参考情報としてインプットしてもらえたらと思います。
ルート1 大手ユーザー企業の社内SEへの転職
まず、1つ目のルートは大手ユーザー企業の社内SEへの転職です。
先ほど解説した通り、日本の企業全体がIT人材を集めているなか、1部上場企業といった大手ユーザー企業もこぞってIT人材を募集しています。
これまでの日本企業は、ユーザー企業は自分たちのメイン事業に専念し、ITに関してはシステム会社へお任せするスタイルでした。
しかし、これからの事業成長には事業とITを一体化して進めていくことが必須となっており、社内にITエンジニアを抱えて、システムの内製化に取り組んでいる企業が多くなっています。
大手ユーザー企業は簡単に言えば、企業規模が大きく、事業自体が安定しているため、自動的に社員への給与や職場環境、労働環境などが安定しています。
これから採用されるITエンジニアでももちろん同じ環境が提供されます。
むしろ、優秀なITエンジニアを採用したいので、平均レベルより上での給与レベルで採用してもらえる可能性も高いです。
実際に僕の知り合いは小さなシステム会社のエンジニアから大手ユーザー企業の社内SEに転職が決まり、大幅な年収アップと安定した労働環境を手に入れました。
しかも、既存社員の方の給与水準より少し上で入社していました。
大手ユーザー企業の社内SEの求人を探す方法は転職エージェントを利用する必要があります。
▼大手ユーザー企業の社内SEへ転職するメリット、デメリットは以下の記事で解説していますので、気になる方は読んでみてください。
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ルート2 大手SIerへの転職
2つ目のルートは大手SIerへの転職です。
大手SIerとは、規模の大きいシステム開発や運用を行う会社のことで、ビックネームでいうと、富士通、NTTデータ、NEC、日立製作所、野村総合研究所などといった世の中的にも知られている大手企業になります。
先ほど、ユーザー企業が社内でのITエンジニアを増やすために積極的な採用を行っていることはお伝えしましたが、すべての開発を社内で賄えるわけではありません。
あくまでユーザー側でコアとなる事業に関連するシステムの開発や管理を取捨選択して行っていくわけで、システム開発の委託などがなくなるわけではありません。
大規模なシステム開発などは大手SIerの力を引き続き借りながら事業を進めていくことになります。
そういう意味では大手SIerもITエンジニアが不足しているのは同じ状況で、大手SIerも優秀なITエンジニアの採用を強化しています。
大手SIerは大手ユーザー企業と同じく「大手」という言葉がつくだけあって会社規模が大きいわけです。
つまり、年収水準も高く、労働環境もしっかりとしています。
大手SIerはシステム開発自体を事業としている会社なので、よりITエンジニアとしての現在持っているスキルを活かして年収アップや労働環境安定を実現しやすいルートになります。
大手SIerの求人を探す方法は転職エージェントを利用する必要があります。
ルート3 ユーザー系SIerへの転職
最後に紹介するのが、ユーザー系SIerへの転職です。
ユーザー系SIerとは、ユーザー系企業の子会社にあたるSIer企業のことです。
結論を言うと、このユーザー系SIer企業は親会社であるユーザー企業の配下にあることが多く、親会社に守られながらシステム開発事業をしているため、比較的事業が安定しており、給与や労働環境が安定しているという特徴があります。
規模は大手SIerほど大きくはありませんが、給与水準が悪いわけではなく、かつ労働環境も安定する傾向があり、穴場の転職ルートと言えます。
この記事を書いている僕自身もこのユーザー系SIerに転職して、以前より高い給与と安定した労働環境を手にすることができました。
このユーザー系SIerは最初に紹介したユーザー企業の子会社の位置づけの会社になるわけですが、日本の企業の歴史として、1980年代にユーザー企業が自分たちのIT部門をこぞってシステム開発事業子会社として独立させた経緯があります。
目立ちはしませんが、このような企業が日本にはたくさんあるのが実態です。
現在はそのユーザー企業側がまたITを内製に戻す流れになってきているので、このユーザー系SIer企業が親会社に吸収合併されている動きもありますが、親会社からの独立性が高い会社も多く、そのような会社は他と変わらず、ITエンジニアを継続的に募集しています。
ユーザー系SIerの求人を探す方法は転職エージェントを利用する必要があります。
穴場の転職ルートをつかむための方法
では、上記で紹介した私がおすすめする穴場の転職ルートをつかむための方法についてです。
方法は3つあります。
- 転職エージェントの力を借りる
- 目標とする企業へのコネクションを作る
- スカウト(個別オファー)を受ける
ただし、2つ目、3つ目の方法は、自分のこれまでの人脈や仕事での出会いといった運によるところが多く、自分の力だけではどうしようもできない方法なので、現実的には1つ目の「転職エージェントの力を借りる」というのが現実的な方法となります。
転職エージェントの力を借りる
1つ目は転職エージェントの力を借りるということです。
つまり転職エージェントに登録して、自分の転職先希望を伝えて、希望の企業、もしくはそれに近しい企業のルートを紹介してもらう形です。
これは一番無難な方法ですし、だれでも有効に使える確実な方法とも言えます。
基本的には自分が入りたいと思う企業にはコネクションがあるのは稀なことなので、自分の力で転職先を切り開いていく必要があります。
もちろん、目標とする企業のWebサイトなどから直接問い合わせをするという手もありますが、多くの企業が間に転職サイトや転職エージェントをはさんでいることも多いのと、やはり転職を成功させるために転職エージェントのサポートは有効なので、転職エージェント経由を通じたルートづくりが転職初心者の方にはベストなやり方になると思います。
▼ITエンジニアが年収アップを実現するための僕のおすすめの転職エージェントについては以下の記事で書いています。
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目標とする企業へのコネクションを作る
これは、目標とする企業へ何らかの形でコネクションを作る方法になりますが、この方法は簡単に実現できる方法ではありません。
たまたま、今までの仕事で該当の企業と関わることがあり、そこで人脈を作ることができたとか、プライベートで知り合いがいるとか、その方の環境に依存することが多く、何もないところから作りに行くというのは至難の業です。
こう言うと、大企業に勤めている友人がいるとか、以前にあの会社の人と少し絡んで、仲良くなった人がいるとかが頭に浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、そのレベルで転職ができたら苦労はしません。
ご存じの通り組織というのは人の集まりでできており、平社員一人の意見が簡単に通る世界ではありません。簡単に言えば人事権を持った人でないと、採用の話ができないということです。
もちろん自分の持っているコネクションが会社の中でそれなりの権限を持たれているレベルの方であれば話は変わります。
ただし、相手も組織の中でのそれなりのポジションであるため、個人の意見で採用をするわけにはいかないため、最終的には正規の採用ルートを通ります。
ということで、企業内で権限を持つ方とのコネクションを持っていることはそれだけで特権になることは間違いありませんが、結局はその企業に採用されるだけの能力を有しておかないといけないことには変わりはありません。
スカウト(個別オファー)を受ける
上記で企業とのコネクションを作るということの難しさを書きましたが、実際の現場であるのが企業側から自分に対してのスカウトです。
これは、簡単に言えば仕事の現場で「うちの会社に転職してこない?」と誘われることです。
仕事というのは1社の会社内で完結することは少なく複数の会社が関係してプロジェクトが進んでいくのがほとんどです。
IT業界の仕事もまさにそれで、複数の会社のメンバーが集まってプロジェクトを進めていくことが多いです。そうすると、プロジェクトの中で会社間を超えて別会社の方と仲良くなったり、信頼関係ができあがることも多いわけです。
こういった時に、関連者から「仕事ができる」と思われたり、「この人、うちの会社に欲しい!」と思われると、「今の会社に満足してる?もしよかったらうちの会社に来ない?」といったようなお誘いが来たりすることがあるわけです。
こういったことが起こると、まさに自分の実力が外部からも認められている証明になり、その会社に転職できる可能性がかなり高まります。
もちろん、その企業に自分が行ってみたいと思うことが重要なわけなので、自分の行きたいと思っていない会社からのお誘いがくることだってあるので、うまく立ち回る必要がありますが、今の会社より自分にメリットがあるようであれば、転職を実現できる特急切符をもらったようなものなので、転職実現の可能性を高めることができます。
現在転職業界では「リファラル採用」という採用方式が出てきており、これは社員の紹介による採用制度です。優秀な人材を会社に紹介すれば自分にもインセンティブが入るような制度になっているところが多く、こういった企業内の社員が直接スカウトをしてくるようなシーンも出てきているのが現状です。
ただし、このスカウトによる転職には注意が必要です。会社間でお互いに企業間取引や関係性があれば、人の引き抜き問題などに発展し、企業間の関係性に傷をつけてしまう可能性があるからです。
特にIT業界は下請け構造がまだまだ主流な状況なので、元請けと下請けの関係性などがあれば、単純な転職が人の引き抜きと判断され、転職自体がうまくいかないことも多くあります。
このあたりは状況をしっかりと見極め、慎重に動いていく必要があります。
転職を成功させるためにやっておくこと
ここまでで、ITエンジニアとして、年収アップを実現させたり、快適な労働環境を手に入れるための穴場の転職ルートについて書いてきました。
企業とのコネクションを作って転職するルートもあるにはありますが、その方の持っている人脈や仕事環境に依存するところが多く、運に恵まれるところが大きいです。
やはり、自分の活動として確実に転職ルートを得るためには転職エージェントとの転職活動が確実なものとなります。
ただし、転職エージェントに登録して、言われるがままに転職活動をするだけでは実現できません(もちろん、それで実現できてしまう方もいらっしゃいますが)。
転職活動をするのは自分です。
理想の転職を勝ち取るためには、転職の成功確率を上げるために準備をしておく必要があります。
これらの準備事項については、僕の転職経験も踏まえた、転職活動を成功させるための「ITエンジニアの転職成功ロードマップ」の記事にまとめていますので、ぜひ確認してみてください。
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まとめ
ということで、今回の記事ではITエンジニアが年収アップできる穴場の転職ルートについて紹介しました。
あくまで1つの参考情報にはなりますが、これまで約20年間IT業界で働いてきた僕の経験と、実際に2回の転職をした経験も踏まえて書いたものなので、間違ったことを書いているつもりはありません。
あらためて、僕のこれまでの経験からおすすめするITエンジニアが年収アップできる穴場の転職ルートは以下になります。
- 大手ユーザー企業の社内SEへ転職
- 大手SIerへの転職
- ユーザー系SIerへの転職
ただし、上記のルートはあくまで年収アップと安定した労働環境を手に入れる視点でのルートです。
転職の理由には年収や労働環境以外の仕事の内容やそのほかのポイントなど、人それぞれ違うと思いますので、最終的には自分のこだわりポイントなども含めて自分の転職ルートを探していくことが大切だと思います。
それでは最後まで読んでいただいてありがとうございました!